物流・倉庫会社のM&Aで「交通の便がよい」と伝えるだけでは、事業の強みは十分に説明できません。候補先が知りたいのは、どの荷主へ、どの条件で、どれだけ安定してサービスを提供できるかです。拠点の位置と日々の運行・保管実績を結び付けて整理しましょう。
地図に実際の配送データを重ねる
拠点からの距離だけでなく、便ごとの出発・帰着時刻、納品時間帯、走行距離、積載状況、空車区間を確認します。交通状況で所要時間は変わるため、地図上の最短時間ではなく、実績の幅を示すことが有用です。荷主名を伏せる段階では、配送先を市区町村や地域単位にまとめ、特定につながる情報を調整します。
倉庫の使える能力を説明する
床面積に加え、天井高、荷重、搬入口、温度管理、保管品目、荷役設備、在庫管理方法を整理します。所有・賃貸の別、賃貸借期間、修繕負担も必要です。空き面積があっても受け入れられる貨物には条件があるため、追加投資や人員の増強が必要な部分を分けて示しましょう。
- 月別の稼働率と繁忙期の受入余力
- 設備・建物の修繕履歴と今後の予定
- 安全管理、事故・破損時の対応記録
契約と採算を便・荷主ごとに確認する
契約期間、更新、料金改定、燃料費等の転嫁、最低取扱量、解約条件を整理します。売上の大きい荷主でも待機時間や附帯作業の負担が重い場合があります。売上だけでなく車両費、人件費、外注費を対応させ、採算が安定している業務と改善が必要な業務を説明できるようにします。
人員と運行を引き継ぐ条件を整える
運転者、配車担当、倉庫責任者が担う業務を分け、必要な資格や許認可の確認につなげます。代表者が配車や荷主対応を一手に担う場合は、引継ぎ担当を決めておきましょう。手法に応じた許認可や契約の扱いは専門家・関係先へ確認し、切替日に配送や請求が止まらない準備を進めます。
一般的な検討事項として整理しています。個別の手続・条件は関係先や専門家へご確認ください。参考:中小企業庁「中小M&Aガイドライン」


