会社売却や事業承継を検討する際、普段から付き合いのある金融機関や顧問税理士は相談先の候補になります。相手の専門分野と自分の相談目的を整理しておくと、限られた時間で必要な確認を進めやすくなります。まだ売却を決めていない場合は、その段階であることも最初に伝えましょう。
決めたいことと知りたいことを分ける
初回から具体的な売却価格を尋ねる前に、後継者の不在、引退時期、資金繰り、個人保証など、今回の悩みを書き出します。「事業を続ける方法を比較したい」「会社を譲る場合の税務を知りたい」では、必要な回答が変わります。相談の結果、何を持ち帰りたいかを一つか二つ決めると、話が広がりすぎるのを防げます。
会社と個人にまたがる情報を整理する
決算書だけでは分からない情報もあります。株主の構成、会社と経営者個人の貸し借り、個人所有の不動産を会社が使っているか、借入に誰が保証しているかなどを確認します。手元の資料が完全でなくても、分からない項目を明示すれば、次に何を調べるか相談できます。
- 借入先・残高・返済予定・担保・保証の概要
- 株主と保有割合、家族で共有している承継の考え
- 会社と個人の間の貸付、賃貸借などの取引
- 売却時期、雇用、手取りなど優先したい条件
それぞれの役割に応じて聞く
金融機関には、借入や担保・保証に関する確認の進め方、事業承継の相談窓口などを聞けます。税理士には、決算の見方、方法別の税務論点、資料の準備などを相談できます。ただし、普段の取引があることと、今回のM&A支援をどこまで担えるかは別の確認事項です。紹介される支援者がいる場合も、費用や役割分担、情報共有の範囲を確かめましょう。
相談後の動きを記録する
相談した内容は、確認できた事実、専門家へ追加確認する事項、未決定の希望に分けてメモします。候補先への打診や関係者への連絡を依頼する前には、誰が何をするかを明確にします。売却を決めていない段階で情報だけが広がらないよう、社名や資料を共有する範囲も確認してください。税務・法務・融資の判断は個別事情で異なるため、関係する専門家の見解をつなぎながら進めます。
売却を決める前から、会社のこれからをご相談ください。

