会社売却を考え始めたとき、最初に決める必要があるのは希望価格だけではありません。従業員の雇用、取引先との関係、社名、代表者の退任時期など、大切にしたい条件を書き出すと、売却するかどうかの判断軸が見えてきます。
目次
守りたい条件を三つに分ける
「必ず守りたい」「できれば守りたい」「相手と相談できる」に分け、理由も一緒に残します。例えば工場の継続を希望する場合、従業員の通勤、設備の移設費用、顧客との距離のどれが重要なのかで、交渉すべき条件が変わります。家族・株主・経営陣の意向が異なる場合は、早めに論点を整理しましょう。
初回相談で話す情報と、後から出す資料を区別する
初回は業種、大まかな規模、相談の背景、希望時期からで構いません。決算書、株主名簿、借入明細、主要契約などは、必要な範囲と提出方法を確認してから準備します。従業員名や顧客名の入った資料を、不特定の相手へ送ることは避けます。
- 会社名を伏せた概要でどこまで説明するか
- 候補先へ打診する前に誰の承諾を得るか
- 競合・取引先など、接触を避けたい相手があるか
- 連絡方法と連絡してよい時間帯はいつか
借入・個人保証・不動産を先に把握する
会社の借入と代表者個人の保証は分けて整理します。M&Aが成立しても保証が自動的に解除されるとは限りません。金融機関ごとの残高、保証人、担保、返済条件を確認し、会社が使う土地や建物に個人所有のものがあれば、その利用条件も一覧にします。
売却以外の選択肢も同じ基準で比較する
親族内承継、役員・従業員への承継、第三者承継、準備を続ける選択肢を、資金・時期・経営体制・雇用・保証の観点で比較します。相談した時点で売却を決める必要はありません。判断に足りない情報を明らかにし、次に確認する人と期限を決めることが最初の一歩です。

