借りている店舗や工場が事業の中心である会社では、その場所を継続利用できるかがM&Aの重要な条件になります。会社を引き継ぐ合意ができても、賃貸借の確認を後回しにすると、賃料や保証の条件で調整が必要になる場合があります。契約書を早めに読み直しましょう。
契約書と現在の運用を照合する
契約期間、更新、賃料、保証金・敷金、使用目的、修繕、原状回復、解約予告を確認します。覚書や更新合意など、最初の契約書以外の書類も必要です。契約上の名義と実際の使用者、増設した設備、第三者に使わせている区画が一致しているかも確認し、不明な点を一覧にしましょう。
譲渡手法に応じた確認事項を整理する
事業譲渡などで利用主体が変わる場合と、株式譲渡で会社が存続する場合では、貸主に確認する事項が異なります。名義変更、譲渡・転貸、経営権変更時の通知や承諾に関する条項を確認します。契約書に書かれていないから対応不要とは決めつけず、個別契約と予定する取引について法律の専門家へ相談しましょう。
- 承諾・通知の要否と、確認する時期
- 保証人、保証会社、担保の変更条件
- 現在の用途や設備を継続できる条件
費用と責任を切替日で分ける
敷金等がどのように扱われるか、未払賃料や修繕費は誰が負担するかを整理します。原状回復義務や設備の所有者も見落とせません。貸主から新契約や条件変更を求められる可能性を踏まえ、候補先との試算に影響する事項を早めに共有します。費用が不明なまま譲渡価格だけを決めないことが大切です。
貸主への説明と代替策を準備する
説明は、秘密保持と契約上必要な手続を両立する時期に行います。候補先の事業内容、利用計画、連絡窓口など、貸主が確認したい情報を準備しましょう。継続利用が難しい場合に備え、移転可否、費用、休業期間も検討します。最終契約では、賃貸借の継続に関する前提条件を専門家と明確にすることが役立ちます。
一般的な検討事項として整理しています。個別の手続・条件は関係先や専門家へご確認ください。参考:中小企業庁「中小M&Aガイドライン」


